独学?学校?どちらで学ぶべきか
プロダクトデザインは、デザイン対象となる製品の知識が不可欠です。
独学で必要なスキルを身に付けるのは、なかなか難しいといえるでしょう。
大学のデザイン科や専門学校などで、専門的な教育を受ける方が就職には有利です。
なぜ学校で学ぶ必要があるのかというと、設備が充実しているからです。
プロダクトデザインには3DCADソフトやハイスペックパソコンなど、高額な設備が必要です。
学校ではこれらの機器はもちろんのこと、工作用機械や作業室など制作に必要な環境が整備されています。
これによって、座学と実習の両輪による教育を通じて、基礎から応用までプロダクトデザインに必要なスキル全般を効率良く身に付けることができます。
また、同期の学生や既に業界で活躍している先輩の作品に触れるなど、切磋琢磨しながら能力を伸ばせる環境も魅力です。
さらに、就職時に不可欠なポートフォリオの作成も効率良く行えます。
ポートフォリオとは自分の作品集であり、スキルをアピールするためのカタログです。
新卒採用でも中途採用でも、応募時にポートフォリオを提出することが条件です。
しかし、ポートフォリオの作成は容易ではありません。
採用・不採用の決定を左右する重要な資料ですから、自分が持てる最大の能力を発揮して、真剣に取り組む必要があります。
独学などの場合、プロダクトデザインの勉強と同時並行でポートフォリオを作成しなければいけません。
教授など、専門家からのアドバイスを受けることもできないでしょう。
学校では、授業の一環としてポートフォリオ作成を行います。
大学や専門学校で学ぶ方が、希望の進路に到達しやすいでしょう。
プロダクトデザインが学べる学校
プロダクトデザインを学べる場所は、主に大学と専門学校です。
美術系および工学系の大学が、主にプロダクトデザインのカリキュラムを提供しています。
美術系の大学には、多摩美術大学や武蔵野美術大学をはじめとする美術大学や、一般大学の芸術学部などがあります。
工学系の大学では千葉大学の工学部が有名ですが、このほかにも国内の多くの大学が工学部を設けています。
美術系大学は芸術性に重点を置き、デザイン領域にとどまらず行動心理学など広範な学問領域からデザインへの洞察を深める教育を提供しています。
例えば化粧品など、商品イメージを前面に押し出すデザインを学ぶのに適しているでしょう。
一方、工学系大学ではデザインの実用性と機能性に焦点を当て、産業界との連携を通じて実践的なスキルを育成しています。
「産学協同研究」プログラムに取り組む大学も多く、学びながら実世界の問題解決に役立つデザインを追求することも可能です。
専門学校もまた、プロダクトデザインに必要な技術やスキルに特化した教育を行っています。
就職に直結する実践的なプログラムが組まれているため、こちらも人気が高い学び方です。
進路の選択に当たっては、自身の興味やキャリア目標に合った教育機関を検討することが重要です。
各機関のカリキュラムや教育方針を理解し、自身のデザイン観と合致するかを考慮して選びましょう。