
現場で使用する主要ツール
プロダクトデザイナーの仕事では、2Dから3Dまでさまざまなソフトウェアを使い分ける必要があります。たとえばAdobeのIllustratorやPhotoshopは、ロゴやアイコンの作成、イメージボードの作成といった場面で役立ちます。さらに、製品のアウトラインや寸法図を作る際にもIllustratorは便利です。一方、3Dモデリングやレンダリングには、SolidWorksやFusion 360、Rhinocerosなどのツールが選ばれることが多いです。形状を正確に表現し、強度や素材のシミュレーションを行うことで、現実に近い製品イメージをつかむことができます。
学生時代に使ったツールとの違い
学生時代のデザイン課題などで、SketchUpや無料の3Dツールなどを使っていた人も多いでしょう。しかし実際の現場では、量産化やコスト試算、パーツ分解など、より詳細な設計が求められます。CADソフトを使ってパーツごとに分解したモデルを作り、アセンブリ(組み立て)をシミュレーションする作業も必要です。大学や専門学校で扱うツールと、実務で使われるツールの機能や使い方には大きなギャップがありますが、学校で学んだ基礎的な操作や作図の考え方は大いに活かせます。早い段階で業界標準のソフトウェアに触れておくと、就職後の戸惑いを減らすことができるでしょう。
構想段階から試作段階までの活用
プロダクトデザイナーの仕事は、アイデアを「形」に落とし込む過程をスムーズに回すことでもあります。初期の発想段階ではラフスケッチと簡易モデリングを繰り返しながら、複数の案を検討します。その後、絞り込んだ案を詳しい3Dモデルで構築し、レンダリングを行って質感やカラーを確認します。場合によっては3Dプリンターを使って小規模なモックアップを作り、触感やサイズ感をテストすることもあります。ソフトウェアの知識があれば、こうしたプロセスを自分一人でもある程度進められるため、チーム内でのコミュニケーションも円滑になります。
継続的な学習が必要
ソフトウェアツールは日進月歩で進化しており、アップデートによって新機能が追加されることも珍しくありません。また、AR(拡張現実)やVR(仮想現実)を活用した可視化ツール、さらにはAIによる自動ジェネレート機能を備えたソフトが登場し、プロダクトデザインの現場を大きく変えつつあります。プロダクトデザイナーとして長く活躍するには、こうした新技術を積極的に試して学ぶ姿勢が重要です。オンライン講座やセミナー、勉強会などを活用し、ソフトウェアスキルを継続的にアップデートすることで、より実践的なデザイン提案が可能になるでしょう。