インハウスデザイナーのメリットとは?
インハウスデザイナーとは、メーカーなどの企業に勤務して、自社製品のデザインに携わるのが仕事です。
制作やデザインを専門とする企業に所属するプロダクトデザイナーは、クライアントからの依頼に基づきデザイン作業を行います。
これに対して、インハウスデザイナーは外部からの依頼は受けません。
自社が製造販売する製品などのデザインを専用に手がけます。
「自社でデザイナーを雇用するよりも、アウトソーシングを利用する方がコスト面で有利ではないか?」と考える方もいるでしょう。
しかし、インハウスデザイナーの雇用は、企業にとってメリットのある戦略です。
最も大きなメリットは、求めるイメージが共有できているため、スピーディーなデザインが可能になることです。
企業は、自社のブランドイメージにこだわります。
そして、ブランドイメージの確立に貢献する要素の代表格がデザインです。
このため、商品やサービスだけでなく、広告やWebサイトなど自社に関わるすべてのデザインを統一するために、色使いをはじめとするトーンやマナーを詳細に設定している企業が多いのです。
デザインをアウトソーシングする場合、発注するたびに細かな条件を説明し、細部までチェックをする必要があります。
しかし、インハウスデザイナーは自社専任であり、コーポレートアイデンティティを深く理解しているため、制作ルールやトーン、マナーに至るまで正確かつ迅速に求めるデザインを作成できます。
自社のブランド化にこだわる企業ほど、外部に発注するよりもインハウスデザイナーの雇用を望む傾向があります。
同時に、デザイナー自身にとっても多くのメリットが存在します。
まず、安定した収入が得られることです。
自社でデザイナーを雇用する企業は一部上場企業など大手企業が多く、高い給与水準と充実した福利厚生を備えている傾向があります。
外部の受注に依存しないため、顧からの突発的な仕様変更や納期変更などによる残業が少なくなります。
さらにデザインの企画・商品開発、販売後の反響や改良まで、ものづくりの工程のすべてに関われるのも大きな魅力です。
自社のデザイン全般に関わることが多いため、ウェブサイトから名刺デザインに至るまで、幅広い分野を体験できます。
その一方で、インハウスデザイナーの採用人数は少なく、場合によっては社内で自分一人だけというケースもあります。
誰にも相談できず、自力で課題を解決するなど負担が大きいことがデメリットです。
また、自社ブランド以外のデザインに触れる機会が少なく、デザインの幅が固定される可能性があります。
インハウスデザイナーになる方法は?
主に、次の2つの方法があります。
1つ目はデザイン関連の学校で学び、必要なスキルを身に付けた後、募集企業に採用されることです。
2つ目は、制作・デザイン系の会社の社員として実績を積んだ後、転職することです。
プロダクトデザイナーの働き方の1つとして、インハウスデザイナーへの求人に応募してみてはいかがでしょうか。