プロダクトデザイナーは製品製作には欠かせない職業
プロダクトデザイナーとは、その名のとおりプロダクト(製品)をデザインする仕事です。
プロダクトの種類は多岐にわたり、デスク周りの小物から家電、家具、飛行機などのデザインを行うこともあります。
デザイナーと呼ばれるだけあって、やはり芸術的センスは求められます。
形や色の美しさや、目を引くような芸術性が無ければ、売れる商品を作ることができません。
そのため、プロダクトデザイナーになる人の多くはアート系の専門学校や美術大学を卒業しています。
しかし、芸術的センスだけで務まる仕事ではありません。
プロダクトデザイナーの仕事は、秀逸なアート作品を作ることではなく売れる製品をデザインすることです。
そのために、どのようなデザインが流行っているのか、消費者が手に取りたくなるようなデザインは何なのかをしっかりと理解していなければいけません。
そのためプロダクトデザイナーは、市場調査に多くの時間を費やします。
流行りの製品を見比べて、共通している色遣いや形を見極めたり、SNSなどで流行りの製品を調査したりという作業は売り上げにつながる製品を作るためには欠かせないのです。
また、展示される芸術作品ではなく普段の生活で使用されるものを作るので、安全性や機能性にも気を使わなければいけません。
安全面での規制に反していないか、使いづらくは無いかをなどを考慮しながらデザインしなければいけないのです。
プロダクトデザイナーは、製品製作の深いところまで関わるとても重要なポジションです。
デザイン性の重要度が上がってきている
ここ数年の間に、多くのジャンルでデザインが重視されるようになってきました。
これには、科学技術の発展が大きく影響しています。
AIやロボット技術などが大きく進歩し、高い機能性を備えた製品を大量生産することはどんどん容易になってきています。
多くの分野で、一般の人がプロ仕様の製品を使うことも珍しくありません。
つまり、「機能性はあって当たり前」という感覚が普通になってきているのです。
むしろ有り余る機能を使いこなせていないことの方が多いでしょう。
そのような機能性の飽和状態の中で、消費者が製品に求め始めるのがデザイン性です。
「機能はもう十分だから、見た目がカワイイ・カッコいい製品を使いたい」という欲求が消費者の間で芽生え始めたのです。
製造業や技術開発の世界で、アートの教養を持っている人材はまれです。
さらに、アート作品を作れるようになったAIでも市場価値に合わせたデザインをすることはまだまだ困難ですし、デザインを行えるハイレベルなAIを導入できる企業も限られています。
プロダクトデザイナーという職業は、これから需要が伸びていくでしょう。